11月レポート

1日目 担当:さなえさん


秋の澄み渡る空、そして感じる太陽の温かさ。
そんな1122日。
いよいよ12期生の塾ものこり2回。そして、今回のメンバーだけで学びあうのは今回が最後でした。

まずは
◆近況報告
・じゅんちゃん。山梨で野口整体について学びました。
人間、足首が大事とのこと。
野口整体とは、野口晴哉によって確立された整体操法。
指導理意念は「何かに頼ることなく 自らの足で立つこと」
「病を治すことよりも人間本来の力を引き出して健康に導く」


http://noguchi-haruchika.com/home.html(野口晴哉公式サイトより)

・りょうちゃん
あっちゃんと愛媛へ1週間の旅へ。りょうちゃんはお遍路へ。
あっちゃんは四国88素敵な女性めぐりを始めたとか始めてないとか。

・酒井さん
車が追突されて、走行不能に。(体への影響は今のところないとのこと何よりです)
そこから、ハイブリット車が実はエコじゃない。という話に。ガソリン車より、高価なハイブリット車ですが、走行距離15万キロ以上でないと、いくら燃費が良くても、その差額分ペイされないのだとか。また、ハイブリット車にはレアアースが必要となるが、レアアースはウランと同じ場所にあるため、採掘するたびに放射能汚染が広がるのだそうだ。
(私は仕事でよく、自動車製造関係の会社に海外研修員を連れて視察に行きます。上記の日本人関係者は当然、ハイブリットや電気自動車はエコ・フレンドリーと宣伝します。いいことしか言わない。人間が作ったものに絶対!なんてないはずなのに、もう少しメリット・デメリットも教えてほしいと思っていたところでした。アフリカの人たちは、本当にそれを信じて、目指せばいいのかしら?と思っていました。今度、上記の会社の人にも質問してみようっと。)

・みかちゃん
徳林寺で親業のセミナーを開催。アドラー心理学を研究なさっている講師をお迎えしてのセミナーでした。
参考図書:「嫌われる勇気」

・ともみちゃん
塾の前日にタイ・カンボジア・ベトナム旅行から戻りました。タイでは前回みかちゃんが紹介したエコビレッジ「PUNPUN Organic Farm」にいって、たくさんのビジョンのヒントを得ることができました。ベトナムのエコビレッジにも行ったんだっけ?たぁくさんの素敵な人たちに出会って幸せそうでした。わくわくがいっぱい!

・うめちゃん
長崎(五島列島)でグリーンツーリズムについての講習をしたりと今月も飛び回っていました。娘さんのしーちゃんと一緒に過ごせたのは1日だけだったとか!? がんばれ、お父さん!

・和尚さん
ただ今、猫ハウス(サンルーム)を建設中。なかなか大きそうです。猫ちゃんがうらやましい。

・庄ちゃん
ガラスの腰と闘いながら、稲刈りetc.

・さなえ
いろいろな(からだ、コミュニティ、地球)の健康に考えるワークショップを開催して、考えさせられました。

・さきちゃん
名東高校で英語の授業についての勉強会に参加。受験のための英語ではない、言葉として話す英語/楽しい英語の教え方が取り入れられていて感心。先生のファシリテーション能力が問われる教え方だったようです。(私解釈)

・けいこさん
いもたん(南知多の農家の集まり?)のお手伝いをしていました。

・あっちゃん
…私のメモには「おにばばんち」とだけ、走り書きが…なんだっけ?
とにもかくにも、上記のとおり四国で素敵な人に出会ったり、いつもキラキラ、わくわくのあっちゃんでした(あっちゃん、ごめんなさい。)

◆農作業
 ・大根、ニンジン、春菊などを収穫しました。庄ちゃんが小麦と脱穀する木槌を持ってきてくれたので、みんなで体験しました。小麦のほかにも、エゴマや大豆もやりました。ぽろぽろ取れて面白い。

・梅ちゃんから麦とエンドウの撒き方を習いました。
<ライムギ>
タネをまく幅は鍬の幅。
鍬で表土をはぎ、根切りを行う。この際、石は気にしなくてもよい。一旦、鍬の背を利用して土を抑える。前後に行ったり来たりしながら根切りをした場所全体にタネをまく。再度鍬の背で土を抑えて、短めに切った草をかけておく。

<エンドウ/シロバナとアカバナ>
支柱の周りの表土をはぎ、根切りした後、土を抑える。点撒きでタネをまく。支柱の周りに3つ。深さはタネの厚さの3
ひとつの穴に一つのタネをまく。
ひとつは大地に。ひとつは鳥に。ひとつは私たちに。
土をかけ、軽くたたき、短く切った青草をかぶせる。
シロバナは少しずつ、長きにわたって実をつける。
アカバナは春先に一気に、実をつける。
両方植えておくと、長期間にわたって収穫を楽しむことができる。

*ちなみにタネの袋は下側を開封するのが正しい。そうすると袋に書かれている必要な情報が欠けることがないそうだ

◆自然農講義~保存/貯蔵の話~
・大根、にんじんは茎葉を根元から切り落として、土に埋める。
・ねぎは立てたまま土に埋める。その時、もみ殻を入れてもよい。
・しょうがは寒くなると腐るので、5日間陰干ししてから、低温障害を受けないように土に埋める。
・ジャガイモも低温障害を受けるので、冷えすぎないように注意する。ただし、低温障害を受けても、しばらく常温におくと戻る。
・サトイモはバラさず、そのまま保管する。(低温注意)

◆待ちに待った夕飯
・みんなで収穫した大根のカレー
・同じくみんなのダイコンと柿のなます
・紫イモと一個だけ紫イモじゃないサツマイモのふかし
・野菜たっぷりお味噌汁
・大根葉ピリ辛ふりかけ
ご馳走様でした!!!

◆一発芸ならぬ一芸大会(みんなも結局どっちだったかあいまいだったね。笑)
・みかちゃん
 パントマイム?薪でお風呂を炊く苦労を体いっぱいで表現してくれました。
 それって、徳林寺の日常ですか?

・ともみちゃん
ミュージカルを見せてくれました。
ともみちゃんが手を広げると、その指先に何かがキラキラとはじけたよ。
次から次へ何が起こるのかワクワクと見入ってしまった。
歌や踊りは言葉を超えて心を伝えるの~~~~ぉ♪(ちょっとミュージカル風)

・酒井さん
「鬼のパンツ」を大熱唱。

♪鬼のパンツは いいパンツ
つよいぞ つよいぞ
トラの毛皮で できている
つよいぞ つよいぞ
5年はいても やぶれない
つよいぞ つよいぞ
10年はいても やぶれない
つよいぞ つよいぞ
はこう はこう 鬼のパンツ
はこう はこう 鬼のパンツ
あなたも あなたも あなたも あなたも
みんなではこう 鬼のパンツ
この後、ウサギ(しなやかな顔をして)、蟹、パンダと
私たちがおなかがよじれて、もがき苦しんでいるのを尻目に、酒井さんの「The宴会芸(もうそれを超えて芸術すら感じる)」は進んだ。
5番として「ぱーかるのパンツ」の歌詞が作れるのでは?と盛り上がりました。

・じゅんちゃん
ウクレレで自作の歌を聞かせてくれました。優しい歌声で、大切なことを教えてくれました。
「パーな仲間   (のちにけんじぃは「あした種をまく」と命名)」
でっかい揺れの後に起こった出来事に怯えてすべてを捨ててにげだしたんだ。
『震災の後には戦争がやってくる』と清志郎も言ってたよ、なんだかキナ臭いよのなかになっちまった。
金の為に嘘をつくことが当たり前のこの国で自然に愛される生き方を選びました。
コンパニオンプランツからトマトが採れたよ
あー愛しい。
名古屋で出逢ったパーな仲間が畑に種をまく
長野に住んでるじいさんは、ミツバチ追いかける。ミツバチ追いかける。
奪い合えば足らず、与えあう心だけで足りるのさ、穏やかな笑顔で世界だって変えられる。
ふる里を離れちゃった事に心痛める事より信じた道歩く姿見せつけてやるよ。
力を抜いて大地をつかみ、しなやかに波に揺れながら、ちっぽけな自分愛する事からはじめる。
曼荼羅ガーデンにもたわわな恵みが
あー豊かだ。
名古屋で出逢ったパーな仲間とあしたを変えていく。
お山に住んでる和尚さんは、平和を唱えてる、自転車こいでゆく。
名古屋で出逢った素敵な仲間が畑に種をまく。
都留市に住んでる梅ちゃんファミリーも笑顔の種をまく、命の種つなぐ。

あしたを変えていく。
世界をかえるのさ。

・さきちゃん
手話クイズ!いろんな国名を表す手話から。メンバーの日常のイメージを表現。
和尚さん!!高いところは気を付けてくださいね()
・さなえ
ネパールの踊りをアレンジした「ナマステ体操」をみんなと一緒に踊りました。

・庄ちゃん
庄ちゃんが体験したネイティブ・アメリカンの儀式ビジョン・クエストについて、教えてもらう。水と寝袋だけを持って4日間、島で決められた決壊の中で一人ひたすらにお祈りし、天からビジョンを頂く儀式。すると、庄ちゃんは「感謝」しか湧き出てこなかったそうだ。「存在するだけでいいんだ」心がピースでいっぱいになったとき、目の前に一匹の鹿が佇んでいた。
庄ちゃんがネイティブ・アメリカンの歌を歌ってくれているとき、庄ちゃんの体験をイメージしてみた。

とても、穏やかな気持ちになってこの「一芸大会」が終わりました。
みんなが見せてくれたものは完全に「一芸」の域を超えていました。
ただ、楽しいだけではない。それぞれのメッセージがビシビシ伝わってきました。

みんな、どうもありがとう。

そして、今日も「鬼のパンツ」が頭から離れない!!!

               さなえでした。

2日目 担当:酒井さん


午前:

・建築実習
 温室ドームの引き上げに向けて、滑車を仕掛けました。
 先月はドームの中心穴に1本の竹竿を立て、

そのてっぺんに滑車を付けて引き上げようとしましたが、数人がかりで引っ張っても上がらず、竹竿が曲がり始めて力不足は明らかでした。放射状のアーチが中心の円盤にボルト締めされているだけで、折れそうでした。
 これを対策するため、和尚さんと酒井で1ヶ月の間にドーム骨組みの補強をしておきました。中心円盤を2枚貼り合わせにし、アーチを繋ぎ合わせる星型の筋交いを2段取り付けました。
 これで重量が増加しているので、滑車を強力なものにする必要は明らか。和尚さんが用意してくださったのは、3連の動滑車。3個組の滑車ブロックが上下に1つずつ。上に来るブロックにはリングが付いていて、ここに結んだロープが6個の滑車を一つながりに回って、最後の端は上の滑車から出てそれを下から引っ張ります。
 6本のロープが下の滑車を引き上げ、人が引く1本のロープの6倍の力でドームを釣り上げることができます。
中心の竹竿をこの力に耐えられるようにすることは、簡単ではありませんでした。竹竿の数を3本に増やしましたが、用意された竹竿は3本とも途中に穴が開いていて、折れる可能性がありました。しかし中心の穴に立てる前に3本を束ねると、重くなりすぎて扱えなくなります。滑車は1本の頂部に付けることしかできなかったので、下の方を束ねただけで試しにロープを引いてみると、竹が曲がって折れそう。
 これに梯子を掛けて上の方まで結束したのは庄ちゃん。さすがです。じゅんちゃんのアシストも的確でした。
これでもまだ、ロープに力がかかると竹竿が傾き始めます。通り掛かった大工さんに危険を指摘され、3方向に釣りを入れることに。これで何とかドームの重量を支えるクレーンが完成しました。
 その後は透明フィルムを貼り始めました。農業用の防霧シートという物でしたが、厚さは0.05mmという薄いもので、風に耐えられるか心許ないほど。ともかく、ドームの下の方を1周するように、ステープラーで打ち付けて貼っていきました。ステープルの部分には破れ止めに結束テープを短く切って共に打ち付けました。側面への重なりを考え、裾は30cm程余らせました。
 ここで時間切れとなり、今回の作業は終了。

午後:
・「ラダック」ドキュメンタリーDVD
 近代化への疑問点を提示する。ラダックは近代化で汚染と犯罪が増え、人生の楽しみを喪失した。
 ラダックはチベット仏教の国。氷河の水を水路で田畑に導いていた。伝統の人口調整システムがあり、土地は継承されてきた。標高は3000〜4500mで、日干し煉瓦の家、土地で得られる材料を使い、在来種羊の放牧する。仕事と余暇は区別されず、糸紡ぎも周りにある資源で行う。仏教が考え方の規範である。すべての街には僧院、すべての家には仏間がある。コミュニティーは相互依存性で成り立っている。農作業や農具は共有され、コミュニティーが小さいとお互いを信頼できる。水の分配は相互扶助組織のパスプンが行う。死者は入れ替わるという死生観が生活を形作る。他人を助けるのは自分のためであり、紛争解決や女性の参加も促される。共同で収穫し、水車で粉を挽く。十分な余剰も得られる。憩いの時はとことん楽しむ。チャムの踊りの宴会は1週間続く。 仏教哲学が豊かな文化、自然環境とコミュニティを保ち、持続可能性と幸福をもたらしてきた。
 ところが、ここ20年でラダックは近代化し、道路や物質と発展の概念が持ち込まれた。物理的には楽になったかもしれないが、価値観のシステムが崩壊し、賃金労働をし、砂漠に居住し、物質はトラックで運ばれるようになった。首都レーの環境汚染はひどく、村でも川の汚染が進み、病気が蔓延した。これは意図的な文化の破壊なのだ。市場に飲み込まれ、米や灯油の配給を巡って争い、自治権を喪失した。核家族化が進み、関係は希薄化し、分業から金銭関係になり、近代化により農業は荒廃した。近代化は時間を奪い、犯罪と暴力が蔓延し、ムスリムとの関係も悪化した。
 近代化はラダックの人々に心理的圧力を与えている。近代化のイメージを植え付ける。観光客が莫大なお金を使うことで間違ったイメージを与える。映画やテレビは男女のステレオタイプを与え、子供のおもちゃはバービーとランボー人形になる。人々は自尊心を喪失し、不安定化していく。学校教育は伝統にとって脅威である。そこでは経験から学べない。卒業しても都会での仕事はない。英語の教科書が近代化を良いこととする価値観を教える。しかしその教育から落第したとき居場所を失う。教育のせいで暴力的になる。「ファイト」が至るところで叫ばれる。男は都市労働に出て行き、残された女性の負担は増える。こうして近代化は関係の網の目を切り裂く。
 この同じ動きは西洋でも起こっている。進歩発展の悪影響は、急激に進んだラダックでは因果がよくわかる。人々は繋がっていなければならない。小さいコミュニティーでは助け合うことができても、規模とともに競争が増える。地域の重要性が壊されていく。大量生産のグローバル化には勝てない。お金の無さは貧乏なのだろうか? お金があることは好ましいことなのか? 近代化は長期コストを無視し、専門技術と一元的価値観が支配する。知識と知恵は異なる。快適や贅沢は幸せをもたらさない。私たちは人々や地球との繋がりを作り直すことはできる。
(映像の要約は以上)

感想とコメント
和尚さん:ヘレナ・ノバーグ・ホッジは、ネパール在住の時、言語学で接点があった。世界や日本でも同じ問題がある。
酒井:教育の罪深さは、自尊心を奪うことにあると思う。ぼくの親も自尊心を奪われ、伝統的な方法や価値観を時代遅れのもの、捨て去るべきものと信じていた。協力隊でバングラデシュに行ったとき、ぼくは金銭の支配が及んでいない別モードの生活が機能していることを肌で感じた。そのことが自分を作ったのだと思う。
早苗さん:教育は悪くない。親がしっかり自尊心持っていない。自分たちは悪いから良くなってという。マジョリティではないにしても、最近は変わってきているのではのでは? 
たまりさん:この映像より後だが、ラダックに行った経験がある。田舎は幸せ。レーや観光地は生活が違い、物乞いがいる。 観光客の無意識な振る舞いが悪影響を与えてしまう。教育について、伝統文化の再教育を2年間与えるNGOがあった。これは希望が持てる。
梅ちゃん:そのNGOはヘレナがやってるものでは? 古いものは壊して大きな新しい物を作る傾向は日本にもある。アレックス・カーは「日本の景観」で、日本人が気付いてない破壊と画一化を指摘している。食べていく=雇用という刷り込みがあり、苦しい学校があたりまえで、これは価値観の刷り込みではないか。和尚さんがラダックに行ったのは1976〜80年で、これが約40年前、りょうちゃんが10年前、たまりさんが最近であり、比べると時代の変化がわかる。日本でも離島に生まれると、島に帰ってくるなと教育される。ぼくたちはスパイラルアップすべきなのではないか。


夜:
・ヴィジョン発表

酒井:Bagan Bari (ガーデンハウス)というフォレストガーデンの色鉛筆絵。遠くの山から続く自然の中に、食物を生んでくれる大小の木々に囲まれた小さな家、川の流れに小水力発電、鶏と自転車。 近隣との関係まで描き込めなかった。
早苗さん:架け橋になりたい。協力隊も私の架け橋活動だった。ゾウは、象対策とエゴマのエピソード。スリランカの知識をアフリカに繋いだ。定住するなら里山に住みたい。みんなで御飯を食べる。畜産で地域の役に立ちたい。 
じゅんちゃん:奥さんが昨年発表したビジョンの紹介。重要な部分は現実になってきている。「やぶきじゅん」の文字合わせ。(や)っぱりオフグリッド生活、エネルギーの自立を目指す。(ぶ)器用ながらもボディケア、整体、楽健法など、地域で健康塾を開く。(き)持ちは100点、出来高60点、田畑、食べ物も自給。(じ)間泥棒にさようなら、忙しさに追われている人たちのオアシスを作る、色々な人が集まれる場所。(ゆ)たかでゆとりのある人生、好きな事を楽しくして生きる事を子供達に伝える。 自然と共に歩ま(ん)。
さきさん :絵本にしたくなるような水彩画。徳林寺のようなお寺の周りに、森、人々がつどい生活する場、海と山、綿から布へ。
たまりさん:わたしの好きなもの集。気持ちのいいこと。障害者の感覚や価値観を大事にしたい。先入観なしでお付き合い。内側から出てくるものを大事に。自然の中で暮らしたい。
ともみさん:「君がいればそれでいい」は、パンパンで問われた言葉。 ありんこ、保育士、目に見える範囲のもので生きていきたい。楽しくやっている人がいることを伝えていきたい。素敵で楽しい架けはなし。

この後、田中優さんが到着、夕食を囲んで座談会となりました。

3日目 担当:たまりちゃん

11月24日のレポート報告です。

6:00 座禅
私にとっては約1ヶ月ぶりの座禅。
手放しても手放してもやってくる雑念&足のしびれ!
お隣のみかちゃんの姿勢の綺麗さは、日頃の習慣の現れだなあと、気を取り直し自分に向き合う。
名古屋パーマカルチャー塾の、この自分と向き合える静寂な時間(心の中はなかなか騒がしいけれど・・)が
とっても心地よく、改めて残り少ないこの時間を大切にしようと思いました。

7:00 ワーキングメディテーション
心静かに掃除に向き合う時間もとっても心地よい感覚で、
日頃の掃除もやっつけ仕事でなくこんな風に行えば心地よくできるんだな、と改めて。
徳林寺で過ごす朝の時間は、早起きは三文の徳 をしみじみ思い出させてくれます。
こんな風に日々をじっくり過ごせたら、心豊かに暮らせそうだなあ。

掃き掃除をしている隣で、あっちゃんが朝からご飯の支度をしてくれていて・・・
その風景が美しく、みとれてしまいました。

7:45 朝ご飯
玄米粥に、以下のトッピングを添えて。
・ゆず風味のごまネギ醤油  
・だいこん葉とみかチャールの炒め物(みかちゃんお手製の青トマトのアチャール☆)
・きんぴらごほう ・だいこんの浅漬け
・あっちゃんママのお手製梅干し(2年もの)
・玉ねぎマリネ
とろろ入り味噌汁

おなかに優しく染み渡り、朝からうきうきする、元気の出る朝ご飯。
田中優さんを囲み、みんなで美味しく頂きました!
優さんのダムのお話、リニアのお話など
今まで知らなかった衝撃的な内容をお聞きすることができ、
&酒井さんとの絶妙な対談に朝からみんなのテンションも大盛り上がりでした♪

8:30 講演会準備
会場設営、音響セッティング、看板作り、物販のDMなど・・
事前に打ち合わせをあまりしていなかったのですが、阿吽の呼吸でそれぞれの得意分野を生かしどんどん進む準備に、
改めて素晴らしいメンバーと共にパーマカルチャー塾に参加出来ていたんだなあ、幸せだなあ、としみじみ。
いよいよ始まる講演会にわくわくです。

10:00 田中優さん 講演会
      足もとから未来を創るはじめの一歩 
      〜『させられる自分』から、『する自分』に〜

徳林寺本堂にて、優さんのお話が始まりました。

梅ちゃんから、優さんのお話の内容の幅広さがすごい!と紹介があると、
自分は、興味をもったことをとことん調べるのが好きなんです、と。

お仕事も、サラリーマンを31年間続けられている間も(6年前に退職、現在は活動に専念されています)、
NGOの活動には積極的に参加し、ピースボートに毎年乗っていたとのこと!

その中で、どうしたら疲れずに活動を続けられるかを考え、
『させられる』時に疲れ、『好き好んで する』時、疲れないんだと発見、
自分から、『する』意識で活動をされていたそうです。
真実が世間一般からして不都合なことであっても、本当のことをとことん調べ尽くし
本当のことを優先し、自分が正しいと思ったことをする。
例え親しいNGOの人たちと摩擦が生じても、そこで妥協することなく『する』軸をぶらさずに活動を続けてきたそうです。
そのぶれない軸と精神力が、自らのエネルギーを空回りさせることなく有効活用し、
これだけの活動を続けてこられた秘訣なんだな、と。
冒頭から、大切なことを教えて頂きました。

2時間の中で、今起きている日本や世界の現状、自らの関わっている環境活動、
移住先の岡山でのオフグリッド生活などなど、書面では書ききれないほどの沢山の貴重な情報を提供して頂きました。
詳しくは、田中優さんの著書に載っていますのでそちらを参考になさって下さいね。

◎地宝論 地球を救う地域の知恵 :こどもの未来社
◎電気は自給があたりまえ オフグリッドで原発のいらない暮らしへ(未来のあたりまえシリーズ):合同出版

沢山の情報の中から、いくつかシェアしますね。
(違っている部分があれば指摘&修正などご意見お願いします!)

☆エネルギー ペイバックタイムのお話。・・・そのもの自身が創るエネルギーが、そのものが生産されたエネルギーをどれだけ取り戻せるか
 エネルギー装置として例えば小さな風車は永遠に取り戻せず、太陽光発電は2年あればエネルギーを取り戻せる。
 火力はペイバックとしては成り立たない。(今の森林伐採が、今の電気に成っているから)
 家庭でのエネルギー自給には太陽光は最適。但し、長く使うことが大切。
 →今続々と導入されている太陽光パネルが、10年経つと買い取り制度が減額し一斉に廃棄されるタイミングがやってくる。
 まだ使える太陽光パネルを、安くまたは譲ってもらおう!

☆最近沢山見るようになった、メガワットソーラーについて。
 電気は送電線の中で30メートルで1%のロスがある。僻地に作られたそれらから町まで送電する際のロスは多量、
 100%ロスの場合もあり!
 それらを作る際の再生エネルギー資金は私達の電気料金から使われている。無駄な電力再生に資金提供している!

 太陽光発電で作られた電気、昼間に主に作られるが、家庭の電気使用は昼間は不在なことが多くほとんど使用されない。
 しかもかなりのロスが生じる。
 →個人の家庭は、売電よりも、バッテリ−に蓄電しながら自らの家で使用するのが一番効率よい。

☆太陽光パネルを作る&廃棄する際の公害問題について。
 今使われている太陽光パネルが使用出来なくなるのは、まだだいぶ先。それまでは、むやみに廃棄せず安全に保管出来るようにし、
 それまでにリサイクル制度を整えきちんとリサイクルをしていく必要がある。
 公害問題は規制がしっかりと整っていないインドや中国で起きている。生産の6割が中国なのが現状。
 →買う際に、『公害を出していませんか?』と確認しよう。多くの人が問えば、必要に迫られて生産側が配慮するようになる!
  また、確実にリサイクルをしてくれる業者を選ぶのもポイント。

☆岡山でのオフグリッド生活について。
 太陽光パネルは屋根の上でなく地面に置いた。汚れが一番電気を作り出すのに問題となるので、その方が洗えて手入れが楽。
 オフグリッド生活を始めてから、天気によって電気富豪にもなれば電気貧乏にもなる。
 電気富豪の日はエアコンだって使うし、オーブンでパンも焼ける。
 電気貧乏の日はかまどを持ち出し、かまどご飯を楽しんでみる。
 天気に合わせて動き方を変える生活になった。
 太陽光で発電した電気でスピーカーを使用するととても音が良い♪(理論的に理にかなっているそうです)
 
 オフグリッド生活で一番ネックとなるのが、バッテリーが高額な点。
 そこを解消するために、自給エネルギー組、略して『自エネ組』が出来た。
 魔法の粉を使用して再生したバッテリー(ITE性能リアップバッテリー)を使用することで省コスト化を計り、
 太陽光パネルとバッテリーのセットで108万円という価格で販売し、全国の自エネ組が設置、その後の
 オフグリット生活の相談やメンテナンスを請け負ってくれる。(工賃は別途必要)
 ※現在ITEの代理店を募集中だそうです。新たな仕事の可能性がここにもありそうです♪
 ※自エネ組のサイトがあります。自分の住まいの近くに自エネ組のメンバーはいるのか、要チェック!

 オフグリッド生活には、省エネ家電の活用も大切。
 一番電気を消費するのが冷蔵庫。昔の冷蔵庫と今の冷蔵庫では節電率がかなり違う!
 省エネ家電に買い替える方がよっぽどコストダウンになる。その他、人感センサー付きのライトや
 タイマー付きのコンセントなどを活用して、工夫次第で苦痛なく省エネは可能。

 家庭からの電気料金は、企業の電気料金に比べてはるかに割高。(もうけの9割は家庭電力)
 皆がオフグリッド生活に変えることは、電力会社にとって脅威と成りうること。
 →電気会社に文句をいいながら使う電気より、電気を自給し、電力会社に頼らない生活に出来る!


☆竹の活用について。
 竹害が問題になっているが、竹は使い方次第でかなり有効活用できる。
 竹のチップは1週間袋に入れておくと乳酸菌発酵して、牛や豚の大好物の飼料となる。
 乳酸菌発酵していない竹そのものでも、好んで食べるくらい。
 ある業者は北海道の畜産農家さんへ年間1万トン送るようになり、
 その畜産農家さんはアメリカ産の配合飼料を使用しなくてもよくなった。
 
☆バイオマス産業による地域雇用の工夫。
 ペレットストーブ製品を作っているさいかい産業について
 障がいのある方が主に製品を作っており、今まで一度も不良品を作ったことがない。
 障がい者雇用施設が低賃金なのに比べ、きちんとした賃金を払うことが出来ている。
 自立した生活をすることも可能になる。
 →適材適所、向いている方に作ってもらうのが一番!

☆日本の林業について。
 日本の国土の67%が森。日本は本来木材を自給出来るはずが、出来ていない現状。
 日本の育材費の一番コストがかかるのが、下草刈り。
 →ジャージー牛を放牧。クマザサが大好物、ひのきとスギは絶対に食べない
  牛の糞も栄養になる。・・放牧地と未放牧地では木材の育ちに大きな差が出た。
 下草狩りのコストが1/5になっただけでなく、
 ミルクの一番美味しいジャージー牛を放つことで、ミルクによる収益も得られる可能性あり!

 皮むき間伐を行う。
 皮むきは誰でも簡単に出来る。立ち枯れさせ、水蒸気の蒸発で重量が半分になることで、
 重機を入れることなく、容易に運び出しが出来る。
 →林業従事者しか出来ないのでなく、だれでも間伐が出来るようになる!
 (私も、一度皮むき間伐に参加したことがありますが、皮を剥いた木肌はつるつるとしていてとても心地よく、
  思わず頬ずりしてしまうほどでした。
  木も生きていて、木材を使うということは、木の命を頂くことということを、
  自ら体験することでひしひしと感じることの出来たとても有意義な時間でした。
  間伐材の選定、時期などある一定の知識さえ身につければ誰でも出来る方法なので
  是非こどもから大人まで沢山の人に体験してもらいたいな、と思います)

☆菌ちゃん農法について。
 『大地といのちの会』の吉田俊道さんが開発した、微生物を大切にした農法。
 本来有機農法は分子レベルの栄養素を土に与えて肥料にしていたが
 この菌ちゃん農法は、草を刈り発酵させて出来たアミノ酸の状態で肥料として与えることで、
 アミノ酸のまま、野菜は負荷なく栄養を吸収し、元気な植物が出来るというもの。
 その野菜を育て、学校給食で食べ始めた子ども達はアトピーや風邪の症状が減り、
 低体温症の改善もみられた。

☆地域の活性化について。
 地域の活性は、地域内でモノとサービスのお金がぐるぐる回ること。
 回転数をあげるには不安定さは大切。その為には地域商品券の活用などをし、
 地域の中でお金を回していく。
 
☆工夫次第で我が家の自給率はあげていくことが出来る。
家庭菜園をやるように電気も自給したり、燃料を工夫したりすることで
お金がないと暮らしていけない生活から、お金に頼らなくても快適に生活出来る生活にシフトしていきましょう♫

講演会中、幾度となく歓声のようなうなずきの声が聞かれ、私も全く同感でした。
今すぐにでも、この中のいくつかを実践していきたい衝動にかられ、
心の中がわくわくしているのを感じました。
私は、田中優さんの講演会を聴くのは今回で4回目でしたが、全く同じ内容の事は一度もなく
聴くたびに深化しているのを感じます。
優さんの楽しそうに行動している姿に、今回の参加者も一様にわくわくの気持ちを分けて頂きました。
パーマカルチャー塾の最終日にこのお話が聴けて、本当によかったな、と思いました。


◎お昼ご飯◎
あっちゃんお手製ベジカレー♪(柿、春菊、林檎、里芋などなど)
にんじんの葉っぱとにんじんのかき揚げ
みかチャール入りサラダ

ポカポカ陽気の元、外で食べるあっちゃんごはんはまた格別な美味しさでした♪


午後は、田中優さんを囲んでの座談会。
みんなの自己紹介と想いの共有の時間から、皆様が心の中に熱い想いを持って参加されていること、
今日の優さんのお話が着火材になり、みんなの心がうきうきと動きたい衝動にかられている様子がひしひしと伝わってきました。
じゅんちゃんが言ってくれた、ななめの方向の話から、
私達が進むのはななめの方向がいいんじゃないかと、優さんより。
今までは、縦か横かに進もうと皆が頑張りどちらも行き詰まっているような状況。
これからの時代は、自らがオルタナティブな世界を作って変えていく時代。


座談会でも優さんから、大切なエッセンスを沢山分けて頂きました。

優さんは、独学で大学に合格した経験をお持ちです。
気になったことはとにかくとことん自分で調べ、そこから自分の考えを導きだしてきた。
人の言ったことは覚える必要はない。
『自分がそれを知ったときにどう考えるか』を大切にすること。

自分で何もかもやっちゃう人はリーダーには不適。
リーダーになる人は、放っておけないひと。自然とサポーターが現れ、その分野に詳しい人がサポートしてくれる。
僕もそうやって今まできました、と。
電気自動車に関しては、酒井さんに聴いてください。とのことです♪

SNSも有効活用し、3万人に情報や想いをシェアし、応援を募ることが出来る。


普段からポジティブな優さん、秘訣を聴かれると・・・
大人になったら苦手なものを克服するのは捨てる!
自分が嫌いなことをやっていたらポジティブにでなんていられない
自分の好きなこと、得意なことへ力を傾ける。
自分の好きなことは?→ひまな時にすること。

学んだだけ、言葉だけでは面白くない。
そこから実践してみること。
インプットだらけになったら、人生を無駄に過ごしてしまうよ。
アウトプットを前提に生きて行きましょう!

つい、インプットで満足しがちな私、はっとさせられました。
まずは、はじめの一歩。
ちょっとずつでも、みんなでわくわく、はじめていきましょう♫


みんなが帰ってお片づけ後、みんなのシェアタイム。
これでこのメンバーで集まれるのは最後と思うと、
寂しい気持ちと出会えたことの奇跡に胸が熱くなりました。

そして、そして、、りょうちゃんのリクエストにより
酒井さんの『おにのパンツ』再来!!
男性陣5人一同で、おにのパンツを熱唱♫
最後の締めくくりにふさわしい、大爆笑に包まれました。

いよいよ12月にはギャザリング。
パーマカルチャー塾の受講生が徳林寺に大集合です。
どんな皆さんにお会い出来るのか、今から楽しみにしています。

たまり。


以下、酒井さんの補足

優さんは「メガワット」と言い間違えていたのですが、大規模隊光電池発電施設の通り名は「メガソーラー」です。巨大ソーラーの意味です。
大きな電力を送るには、電圧を高くして電流を小さく抑える事が必要で、じっさい高圧送電線はそうなっている。ところが多くのメガソーラーでは、電圧変換の設備を省略して低い電圧のまま送電網に接続しているため、大きな電流による発熱損失が距離あたりで発生してしまう。これはいわば法制度の落とし穴です。

メガワット(MW)=百万ワット(W)=1000キロワット(kW)です。つまり単位の名前。
電子レンジが約1000W=1キロワット。
小型乗用車の(瞬間最大)出力が約100キロワットですが、これを連続で出すとオーバーヒートして壊れます。
平坦な高速道路を100km/hの一定速度で走れば約10キロワット。街乗りなら5キロワット程度ですが、それでも電子レンジ数台をいっぺんに動かすような電力であるわけです。
新幹線のモーターは大体250キロワットぐらいで、これが1両に4個付いていて1両1000キロワットぐらい、つまり1メガワットです。新幹線16両編成では16メガワットになります。時速270キロメートルの新幹線では、空気抵抗に打ち勝つため、連続でこのパワーを必要とします。リニア新幹線なら速度が2倍、パワーは4倍必要になるでしょう。
原発の100万キロワットというのはまた桁が大きくて、=1000メガワット=1ギガワットです。新幹線(たった?)数十編成分ぐらいです。それぐらい新幹線は電気食いです。